団体交渉要求書

2008年9月22日

株式会社　河合楽器製作所
取締役社長　河合弘隆　殿
九州支社支社長北川泉　殿

フリーターユニオン福岡

団体交渉要求書

私たちフリーター／非正規雇用労働者ユニオンふくおかは、貴社でカワイ音楽教室の講師として働くＱ組合員の労働条件改善のため、下記の事項について団体交渉を開催することを要求します。

　Ｑ組合員は貴社と委任契約を締結しています。しかし、①レッスンの内容は貴社の指定する教材に従って行われている。②Ｑ組合員が事務所にいる場合には直接の上司である山根氏の指示にしたがって事務作業をしている。③生徒のレッスンの場所と時間は貴社の指定に従っている。④生徒のレッスンを他の講師に代わる場合に必ず事務所を通してくださいと要求している。これらのことからＱ組合員は労働者として貴社に雇用されていることは明らかです。契約が委任となっていても、実態として雇用関係にあるのですから、貴社はＱ組合員に対して労働諸法に基づいた合法的な勤務環境を整備する義務があります。もし委任契約を認めるとしても、時間的、場所的拘束を伴う労務の対価を請求することは正当なことです。
　貴社は派遣している講師の演奏能力、教材の理解度を把握するために講師に対してレッスンを課しています。このレッスンは講師が自分の自由意志で受講しているものではなく、労働者として貴社の指示に従って受講しているものです。もしこのレッスンが講師の自由意志に基づいたものならば、レッスンを受けていない講師に対して演奏を録音したものを提出させる必要もないでしょう。労働者として貴社の指示に従って受講しているのであれば、費用の請求などは認められるものではありません。むしろ報酬を求めてもいいところですが、少なくともレッスンの費用を無料にすべきです。
　貴社は講師に対してさまざまな研修を課しています。大きく分けて有料研修と無料研修がありますが、有料研修の場合交通費も支給されません。有料研修の場合、前項のレッスンと同じく講師が自分の自由意志で受講しているのだから交通費の支給は必要ないということだと思われます。しかし研修も貴社の指示をうけて受講しているものです。貴社の指示で行う研修は労働ですので、報酬を支払うべきです。
　貴社は定期的に生徒の発表会を催しています。これは講師が企画したものではなく、貴社の業務の一部として企画されるものです。発表会に出るために生徒はその練習をしなければなりませんが、グループレッスンで発表会の人数に満たない場合、他の講師と合同で練習をしています。その練習の費用（交通費など）は講師が負担しています。また発表会の内容の打ち合わせなどの費用（交通費）も講師の負担になっています。貴社の業務の一部として企画されている発表会に必要な経費として、講師が負担している生徒の練習及び発表会準備の費用を支給すべきです。
　貴社は講師の指導資格級としてグレードを設定しています。これは貴社の業務に対する講師の能力を測るものとして設定されているものです。しかしグレード取得試験の費用は講師負担になっています。グレードは講師の音楽全般にかかわる能力を測るものではありません。業務に対する能力を測る費用を貴社が負担するのは当然のことと思われます。
なお、これらの要求は労働諸法に基づいた正当な要求です。この要求によってＱ組合員の契約更新に何らかの影響がおよぶとすれば、それは明らかな不当労働行為です。貴社の誠実な対応をお願いします。

記

１．貴社が講師との間に結んでいる「委任契約」の妥当性について
２．講師のレッスンに必要とされる費用について。
３．講師の研修の報酬について。
４．発表会の練習・準備にかかる費用について。
５．グレード取得の費用について。
６．Ｑ組合員の契約更新について。

以上

貴社との交渉担当は、上村陽一郎（電話番号 090-9980-2106 FAX 092-663-0013）です。団体交渉の日時は10月20日、場所は貴社の九州支社の一室でと予定しています。本要求書に対する回答は10月1日までにお願いします。

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